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聞こえない人たちの差異

気がついたら石川県で働き、もう1年たった。
現在、私は聞こえない人たちに関わる生活支援全般を受け
持っている。乳児から老人。ろう児をもつ親、難聴者、中途
失聴者、また聴者とも関わらせて頂いている。

今回は私の業務の一部である「中途失聴者・難聴者の生活
教室」について書こうと思う。
石川県は10の市があり、その中で、中途失聴者・難聴者の
生活教室の事業を行っているのは6市である。それを私の
職場の県センターが委託事業として行っている。
すでに、金沢市、白山市、小松市、加賀市、輪島市はこの
事業を終了し、あとは能美市を残すだけになった。

各市の事業の予算によって回数も違ってくるが、大抵は5回
程度である。
難聴者・中途失聴者の社会参加の促進、相談を目的として
いるので、色々なことを取り入れている。
9時から3時までの間に、手話講座、健康教室(太極拳・料理)
パソコン体験、施設見学、福祉制度の講義、聞こえの個別相
談、社会教養講座、座談会等々のカリキュラムで行っている。
(情報保障として、ループ、要約筆記(OHP)、手話通訳がつく)

参加者は本当に多様多種である。
名目は「中途失聴者・難聴者」となっているが、ろう協会に
属しているろう者もいれば、音を必須として生きる難聴者も
いるし、手話で生きる難聴者もいる。音のある世界から何ら
かの理由で、突如音のない世界となった中途失聴者もいるし、
人口内耳装着者もいる。
加齢によって耳が聞こえなくなった高齢者もいる。
一貫して彼らを「聞こえない人」と指すのだが、生活は音の
聞こえる、聞こえない、また置かれている環境によって大幅に
違っている。
だからこそ、お互いに違いを理解しあわない限り、お互いを
尊重することは難しい。
「難聴者も中途失聴者もろう者もみんな、人間である。」
人間はそれぞれ違っていて当たり前。
それを「差異」という。
「差異」をどのようにみていくかが、私たち人間の行動にかかる。
「差異」が「差別」につながるか、「共存」につながるか。
それは、「人」が好きでない限り、お互いをマイナス評価、
あるいは何かの名称につけて壁を作ってしまう。
どう、最終的にたどり着くのはそれぞれの人間性。
人間性を作るのも、教育である。

生活教室が終盤に差し掛かった頃に、座談会をいつも開いて
いるのだが、「わたしにゃ、手話は難しいと思ってやらなかった
けど、竹内さんと手話を勉強してみてこれは楽しいなあ、手話は
いいなあ。わたしも覚えることにしたよ。」
そういう言葉を聞くと嬉しくなってしまう。

私が常に留意しているのは、ただ任務をやるだけではなく、
どこも同じだが、参加された方が心ゆくまで満足できたかどうか
を考えることと、今ある人材をどのように育成していくべきかを
いつも念頭に置いている。
簡単なようで、難しい。しかし、それが一番大切なのだと思う。

人は言う。
「バイリンガル路線で走ったKarryがどういう根拠で難聴を?」
私は答える。
「バイリンガル路線で走ったからこそ、たどり着く答えもある。
そういう過程があったからこそ、今の自分がいる。
否定なんてとんでもないことだ。」

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「★つぶやき」カテゴリの記事

コメント

クロネコヤマト:ろう者ならでは必ず考えるところだと思うよ。そういう経験を重ねて、通り越して、たどり着く。
うん、差別か共存かの分かれ道になるかは、今後の聞こえない者を取り巻く貴重な課題になるだろうと私はにらんでいる。一緒に色々と考えていこうね。

HALママ:初カキコありがとう~♪
ようこそ「karry's world」へ。とっても心地よいもんだよ~(?)笑
コーディネート活動は簡単なようで難しいことだと思う。橋つなぎのはずが、そこに自分のエゴが入っていたり、そういうこともあるんだよね。
HALママなら、大丈夫♪人々の意見を常に傾けておくことが一番大事だから、頑張ってね。
そうそう、新聞、ビックリしました★お褒めして頂いて光栄です。お互いが目指すものにしっかり地を這っていこうね。

24軒北の旅人:初カキコありがとう♪いいハンドル名ですね!!十人十色は私の大好きな諺の一つですぞ。24軒北の旅人さんも頑張ってね。

ひまわり:会いたいね~。コメントを読むと、ひまわりさんの人柄が伝わります。時間を見つけてお互い都合のいい日に会いましょうよ!約束ね♪

みぃぽぽん :すっっっっごくいい言葉書いていますね!!ウムウム。メモッたよ。
「手話を広めよう・どういうものか知ってもらおう・・・」とか、そんな考え方では、到底やっていけないと思うから←その言葉に深く心から共鳴したよ。みいぽんの洞察力にこれもまた教えられたよ。会って話してみたいね~。

ハイビスカスちゃん :ハイビスカスちゃんも色々感じているんだあ?色んな人がいるからこそ、社会ができているわけだから、その度に考えることが出来るってすごい幸せだと思うよ。ねっ♪

Herb♪:はいはい、私もHerbに感謝しつくせないっす☆
バイリンガルは序の口で、一番大事なことは何かと気づかされたからね。共々に頑張っていこうね。

投稿: Karry | 2006/10/12 18:33

Karryは、まさに“真”の行者ですね!! ゚+.(・∀・)゚+.゚
「バイリンガルで走ったからこそ・・・今のカリーがいること」
この言葉にすごく伝わってきます。
Karryの姿を見て色々と励まされます。
本当にありがとう!(*^-^)人(^-^*)大感謝です。

投稿: Herb♪ | 2006/09/29 23:06

そうだねぇ。これも深刻になっちゃうんだよねぇ。(;´Д`A ```
環境や皆の生き方も違ってくるし。
色々聞くとやっぱり気持ちにもぞれぞれだし。勉強にもなるね。

投稿: ハイビスカスちゃん | 2006/09/28 23:26

本当に、聴こえない人といっても様々な人がいるんですよね。確かに。
人間だから、色んな人間がいて当たり前という、考え方は、本当に当然の事だと思います。
すべてをひっくるめて言うと、人間は平等だと思います。
大きな意味で障害者でも健常者でも、何ら変わりはないと思う。
うちは、障害とか、病気とかは関係なく、心でその人を見たいといつも思い、付き合いをしています。

カリーさんは、きっと心で相手や色んなものを見つめてきているから、今があるのだろうと思う。
「手話を広めよう・どういうものか知ってもらおう・・・」とか、そんな考え方では、到底やっていけないと思うから。

投稿: みぃぽぽん | 2006/09/28 17:55

カリーと会いたくなった。
自分は、好奇心旺盛なせいか、老若男女国籍聴者難聴者聾者無関係で、人間として一人一人交流するのが大好きだ。
受け入れる気持ちがない限り、一生勉強しないし人として大きくなれないのではないかなと…私に出会った全員がいたからこそ今の私がいてる。みんなに感謝してる。
カリーの書いた本も楽しみにしています。

投稿: ひまわり | 2006/09/28 08:55

かりー。どうも。いろいろ作業をしていたら夜が空けている・・・。金沢でいい経験させてもらった24軒北の旅人で
す。コメントしようしようと思ってたら、こんな遅くなってし
まった。十人十色という諺があるように、人はそれぞれ
で、人生を送るうえでそこが面白いのかもしれないよね。
これからもがんばってね!人はみな生涯学習ですぞ!

投稿: 24軒北の旅人 | 2006/09/28 05:18

初めてカキコします♪

このブログはまさに「karryさんの世界」ですね。
部屋におじゃまさせてもらっているような…(^^)

様々なヒトが参加してこそ社会が構築されるのですね。
気がついたらコーディネート活動が多くなっていただけに、
今回の文章には共感するものが沢山ありました。

最近は、karryさんを地元新聞にデカデカと紹介できたことがよかったです。karryさんの「ブレのなさ」が一番の魅力、今後もさらなる飛躍を応援しています。
身体にはくれぐれもお気をつけて…♪

投稿: HALママ | 2006/09/27 22:40

若い頃は、そういう微妙な違いや考え方に
戸惑ったり、悩んだりした事もあった。
変な所に考え過ぎたり、こだわり過ぎたり。。

今はあまり細かい所まで、気にしなくなったけれど
karryのブログを読んで、障害違っても、なくても
人間はそれぞれ違って当たり前で
それを尊重し合わないとうまくいかないってことを
改めて気づかせてくれました。

差異が「差別」につながるか、「共存」につながるか
って一番難しいとこですね。。。
考えさせられました。ありがとう~


投稿: クロネコヤマト | 2006/09/27 22:30

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